帰りはバスだった。



氷暮はすっかり元の冷めた調子に戻っていたが、

空人は気を使ってか、隣に座ってくれた。



「あ、先輩。今度一緒に本屋行きませんか?」


「え…何で?」


「再来週、朱音の誕生日なんスよ。だから、先輩のおすすめの本あげようかな、って思って。先輩も本屋好きそうですし。」


空人は無邪気に笑った。