「んじゃあ、決まりっていうことで!先輩はここで待っててください。」


空人は、嬉しそうに駆けて行った。



──


「え…送ってくの…?」


朱音は心配そうな顔をした。


「うん…水曜日は来てなかったから、いいよな?」


「…うん。」


「ありがとう。」


空人は微笑んだ。


そして、病室を出た。



「氷暮さんが…そんなに大切なの…?」


朱音の呟いた言葉は、逃げ道を探せずに、いつまでも病室の中を漂っていた。