「ううん、違う…わたしも、克服したいところがあったし…」


氷暮はうつむいたままだ。


「…やっぱり、帰るんですか…?」


氷暮は迷いもなく、うなずいた。


「…じゃあ、送ります…」


その言葉に、氷暮はハッと顔を上げた。


「それはいいって…!だって、朱音ちゃんもいるし…」


「朱音なら大丈夫っスよ。基本、水曜日は来てないんで。今日は、特別だったんスよ。」


空人はニッと笑った。