「はあ、はあ、はあ…」


息が、整えられなくなっている─


(やっぱり病院は──)


氷暮がギュッと目をつぶったときだった。


「氷暮先輩…?」


上…というよりも横から、声が降ってきた。


氷暮は口元から手を離しながら、ゆっくりと声の主を見た。



そこには案の定──


空人がいた。