氷暮が満面の笑みで笑ったのを見て、

空人は手の甲を口に当てていた。


なんとなく、顔が赤いような気もする。



だがそれは、誰にも見られることはなかった─。



「じゃあ俺、売店行ってくるわ。」


空人は盛り上がる2人に、声をかけた。


「うん、いってらっしゃーい♪」


朱音が無邪気に手を振っている。


氷暮は、まるで空人の存在に今さら気づいたように、ハッとしていた。