氷暮は心の中で、ため息をついた。


「はい、先輩。」


空人が椅子を出してくれた。


それに、氷暮はおずおずと腰かける。


「えっと…あの…」


朱音はちょっと下を向くと、小さく呟いた。



「これ…知ってますか?」


朱音が持ち上げた本を見て、氷暮は目を見開いた。


「それっ…知ってる!!」


「わぁ、ホントですか!?」


朱音の顔も、パアッと輝いた。