その気持ちを追い払い、氷暮も中に足を踏み入れた。


「はい、こちらが有坂 氷暮先輩。」


空人が笑って、氷暮の紹介をした。


まさに目が点になっている朱音に、氷暮は軽く会釈をした。


「で、先輩。こっちが岡野 朱音っス。」


空人は朱音を指差した。

まさに、“病弱少女”という感じだった。


(こんなにかわいい子が…幼なじみ…)