「それで、手頃な図書室を選んでみたんスよ。そしたら…オススメコーナーのところに、その子が読んでいた本があったんスよ。
おすすめしてる人の名前を見て、覚えて─
またその棚が更新される日に、見に行ってみたら、また読んでいたやつがあって…

その瞬間、この人は同じジャンルを読んでるんだな、って確信しましたよ。



そう言った空人の目は、声は、とても優しかった。


そして、空人は「あっ」と言ってから、また元の陽気な表情に戻った。


「そういえば、そいつが会いたいって言ってたんスよ!氷暮先輩に!」