「ん?そうっスよ♪」


空人は無邪気に笑って、元の体制に戻った。


「…しょうがないなあ。」


氷暮は本にしおりを挟んで立ち上がった。


「…氷暮先輩って、なんだかんだ言って、ちゃんと聞いてくれますよね。」


氷暮はなぜか、胸がドキッと跳ね上がった気がした。


「それは…あんたがしつこいから…」


「せーんぱい♪」


カウンターから出ると、また空人が顔を近づけてきた。