年下くんとの水曜日。【完】

「…うるさい。」


耐えかねて、氷暮は顔を上げた。


すると、思ったよりもずっと近くに、空人の顔はあった。


「…近い。」


氷暮は顔をしかめた。


それに対し、空人はニッと笑った。


「じゃないと先輩、顔上げないんで♪」


氷暮はため息をつきたいのをこらえ、さっきの空人を思い出した。


「…医療系の本、だっけ?」