ー次の水曜日、放課後


いつも通り、氷暮は図書室のカウンター内にいた。


ガラガラ…と、ドアが開けられる音がする。


氷暮は顔を上げなかった。

今日来る人は決まっているからだ。



「氷暮先パーイ、医療系の本って、どこの棚っスか~?」


案の定、予想通りの声がした。


でも、目は文字を追っている。


「棚に書いてあります。」


氷暮は呟いた。