「朱音っ」


空人の声がした。


朱音は急いで振り返る。



そこには…──


少し気まずそうに顔を赤くした空人がいた。



「空人…?」


朱音は呟いていた。


不安が広がる。


須崎の顔が出てくる。



「あぁ、ごめんな。待たせて。」


空人は笑った。


(訊きたいのはそれじゃない…)