「おぉ、ありがとうございまーす。やっぱ本選び上手いっスよね~」


空人は無邪気に笑う。

木村さんには見せなかった笑顔だ。


「それは、読んでから言いなさい。」


氷暮は小さくため息をつく。


「そうっスか?先輩が選ぶ本は、全部面白かったっスよ。」


空人は平然とした顔で言った。


「まさか…全部読んだの?わたしがおすすめしたやつ。」


空人は、ニッと笑った。