年下くんとの水曜日。【完】

氷暮はしぶしぶ、といった風にそこに座った。


椅子に横向きに腰かければ

木村と向かい合わせになった。



氷暮がカバンを机の上に置くと同時に、

木村が口を開いた。


「話したんだよ、朱音って子と。」


それはもう、友達に愚痴を言うような顔だった。


「そしたら笑顔でさ、「はじめまして。」って言ってきたの。空人くんの彼女、って面してさ。
全然いい子には見えなかったよ?裏表、絶対ある子だよね。」


氷暮はそっと、木村を感心していた。