「わたしのお母さんはね、中1のときに死んでるの。」


「え…?」


空人が目を見開いた。

それはそうであろう。



「んで…お母さんの担当医師が、東先生だったの。
だからお母さんを看取った病室も、病院も、東先生でさえも苦手になった、ってわけ。わかった?」



我ながら簡単な説明だったと思った。


もちろんのこと、空人はまだ内容を把握しきれていない様子だし。



しばらくして、空人は気まずそうに呟いた。


「なんか…すみません…」