氷暮の問いに、空人は苦笑いを返した。



「はい…今日は先輩と帰りたくって。」


「ん…そう?」



そこで氷暮は、少なからず視線が注がれていることに気づいた。



そりゃあ、3年と2年の男女が放課後に廊下で話していたら

変な風に思われるであろう。



「…行こっか。」


空人もそれに気づいたらしく、

うなずくと氷暮のとなりに並んだ。