──放課後


氷暮はとにかく空人に返事をしなければ、と思いながらカバンを肩にかけた。


廊下に出て、足を止める。


3年が使う階段がある右側に、空人の姿を発見したからである。



(よく3年の廊下に来れるよな…)


氷暮は空人を見て、そんなことを考えた。



「あ、氷暮先輩。」


空人は氷暮を見つけると、小走りに駆け寄ってきた。