少し、空気がざわめくのを感じた。


なんせ、「氷」と呼ばれている3年に、2年が話しかけているのだから──



「…新刊が入ったからね。」


氷暮は隅の棚に目を移した。


50冊はあるであろう新刊たちが並んでいる。


氷暮はうずうずが抑えられず、

棚に近づいた。


「ああ、そうっすね。…おすすめの棚の更新はいつっすか?」


棚を眺めている氷暮に空人は訊ねる。


「…来週の水曜。」


氷暮は半ば上の空だ。