年下くんとの水曜日。【完】

そのとき─ドアの開く音がした。


反射的に、氷暮は顔を上げ、ドアの方を見ていた。


入ってきたばかりの空人と目が合う。


「あ…お久しぶりです。」


空人はふっと微笑んだ。


まるで落ち着いた場所に来てほっとしたかのように。


「あ…久しぶり。朱音ちゃんはどう?」


氷暮は当たり障りのない話題を選んだ。


空人はカウンターの前の椅子に腰かけた。