年下くんとの水曜日。【完】

─水曜日


何事もなかったかのように、水曜日がきていた。


氷暮はいつものように図書室のカウンターの中で本を読んでいる。


だが、かれこれ10分はページがめくられていなかった。



氷暮の頭の中では、日曜日に見た空人と朱音ちゃんがリピートされていた。


病院からの電話に心配そうに焦る空人の顔と、

空人を見てほっと微笑んでいた朱音ちゃんの顔が、

何回も交互に出てくる。



氷暮の心はもやもやしっぱなしだ。