「そりゃあもう…2年経ってるんで。」


氷遊の目から、相変わらずの鋭さが消えない。


「そうか、もう2年経ったのか…」


東は懐かしむように、目を細めた。



「君たちが母親がいなくても、こうして元気に暮らしていて、よかったよ。」


「……」


2人は口をつぐんだ。


いくら2年経っていても…まだ癒えない傷だ。



「ああ、氷遊くん。わざわざお迎えすまないね。氷暮ちゃんもいい兄を持ったな。」


「いえ…」


2人は小さく呟く。