「この本、返して借ります!!」


毎週水曜日の放課後は

図書室に人がいない。


なのに、絶対に1人は借りに来る。


(この人…また同じ本を借りてる…)


図書委員である有坂 氷暮は、冷めた目でパソコンをいじった。


この学校の図書室は、バーコード式になっていた。



静かな図書室の中に、ピッという機械音だけが響く。