魔法の帽子



「…トロイア。あんた、魔遊に何をした?」


あたしが睨むとトロイアはニヤリと笑った。


「『トロトロしてるほうが悪いのさあ!!!さあ、魔力も食ったし、大暴れしてやるぜえぇ!!』」


「うわあ!?」


あたりが大きく揺れた。


まるで大きな地震だ。


「『ぎゃはははは!!形勢逆転だな、魔女どもよ!!』」


「ちっ」


「瑠美ちゃ……っのわあ!」


「魔遊!!」


床が揺れたために部屋の家具も揺れて、魔遊の上にも、大きな食器棚が倒れそうになっていた。


しかも、中身が半分飛び出している。


間に合えっ!!!!


手を思いきり、伸ばして、手になにかの感触を感じたと思ったらあたしの視界には何も見えなくなった。