魔法の帽子



「『誰がお前なんぞに教えるか。お前、ただの人間ではないな』」


「自分のことは何も言わないのに、相手のことは知りたがるのね。知ってる?それ、自己チューって、言うのよ」


あたし達が静かに言い争っているとき、魔遊があたしに話しかけた。


「ねえ、瑠美ちゃん。あの執事のおっさん、目隠ししたほーがいい?」


「あぁ〜、よろしく!でも、呪文間違えないでよ?」


「わぁ〜ってます〜!」


悪魔払いのときは、無関係者こちらの都合の悪い事を聞かれる可能性があるので、幻覚を見せる魔法をよくかける。


これは魔遊の仕事だ。


簡単な魔法だけど、たまに失敗してる。


ホントやめてほしい………。