魔法の帽子



「ウアーーー!!」


机を蹴飛ばし、壁に体当たりしたり、頭を抱えたり、忙しい。


「そろそろ、おとなしくして貰おうかな?」


「『誰だ……』」


声は人間だが、どこか違和感があるのは、取りつかれている証拠。


今は、完全に悪魔に体を乗っとられているのだろう。


「あたしは、遠峰 瑠美。……あなたの名前も教えてもらえる?」


すると、相手は口をこれほどかというまであげて、不気味な笑い声をあげた。