ゆびきり

君の頬は緩む一方で、俺はいたたまれない気持ちで、そんな彼女に、さらっと声をかけた。


「…何?」

「んふふ…」


それでも、にこにこしている君。

すっかり、いつもの君。


「何だよ!」

「顔、真っ赤だよ!」

「うるせぇよ!さみーんだよ!」


照れ臭さを隠すように乱暴に返した言葉にさえ、嬉しそうな表情は崩れなくて、君らしい可愛い提案をしてきた。


「来年も…これからも、ずっと一緒にお参りしようね?」

「今、年が明けたばっかだけど?」

「いーの!ね、ゆびきりしよ!約束。」


右手の小指を突き出してきた君は、相変わらず可愛かった。


「仕方ねぇな。…ん。」

「ゆびきりげんまん…」


いちいち口にだし歌う君は、ガキっぽくて、恥ずかしい奴だと思うけど…

君のその願いが叶うといいな。と、思う俺も同じくらい恥ずかしい奴だと思う。


「…ゆびきった!」

「ガキ。」

「酷いっ!」


にやっと笑って言った俺に、唇を尖らせた君。



そんな君と、来年も、再来年も、ずっと先の未来も…一緒にいれますように。

さっき、神様にお祈りしたところだっつーの。


「満足か?」

「満足、満足!」


幸せそうに笑う君を、ずっと隣で見てられますように。

5円で沢山お願いするのは忍びないから、それだけ願っておいたけど…

それはきっと、一番贅沢な願い。



来年もまた、ここで指切りしようか。


約束するよ。

君が呆れるくらい、傍にいる。