ゆびきり

再びおみくじを買いに歩きだすと、君が俯きながら小さな声で呟いた。


「…ごめん。」

「は?何が?」


突然の謝罪の言葉に意味が解らず立ち止まる。


「久しぶりだったんでしょ?」

「あ?」

「あの子と会えたの…。」

「あぁ。別に。」


そんな事か。

彼女の言葉の意味を理解して、俺はまた歩き出す。


「感じ悪くて、ごめんなさい。もっと話したかったよね…」


“しゅん…”と、うなだれる彼女を横目に、暫く考えた。


「あのさ、今ざっと考えてみたけど…」


俺より小さな彼女の視線に合わせて、少し屈むようにその目を覗き混んで言った。


「俺、お前にされて嫌なことって思いつかないんだけど。」


彼女の目が、ほんの少し膨らんで、俺を瞳に写す。


「それに、あいつも友達と来てたみたいだし?長話するのもな。」


“待たせて悪かったな。”と、言う気持ちを込めて、そっと頭を撫でてやる。


「おみくじ行くぞ?」


ふっと笑って上体を戻した俺を追い掛けるように、今度は彼女が俺を見上げながら、言葉の意味を探しているようだ。


「え、っと…」

「あ、浮気は勘弁な?」


そう付け足した俺に、少しずつ頭が理解していっているようで、段々と表情が緩んでいく君。

そんな君を見て、段々と恥ずかしくなってく俺。