【短編】始まりのない恋。




私は腕を上にピシッと伸ばし、大きく息を吸うと、前方の二人に宣言するかのように叫んだ。





『私【ワタクシ】、白石李沙は!!!』





二人が振り返り私を見た。





『二人の幸せを、願います!!!』





そして私はニッと笑い大きく手を二人に向かってぶんぶん振った。
二人は気恥かしそうに手を振り返すと、手を握りしめまた前に歩き出した。