【短編】始まりのない恋。




『━よし。読み終わったし帰ろっかな。
唯も帰っただろうし』





カタン、私は靴箱から靴を出し、帰ろうとしていた時ふと、門に続く道を初々しげに歩いている男女を見た。





フッと私は笑みをこぼした。
その時、なぜか顔を赤くして唯が言った“用事”の意味を悟った。
諒くんから…告白されたんだ、と。





『…そっか。付き合えたんだ。
良かったね…唯、諒くん……』