「…ねぇ、比菜ちゃん。」 そんなとき優ちゃんが話し出した。 わたしが“どうしたの?”って聞いたら優ちゃんはそっと口元を緩めて目をそらした。 「梨子が帰ったよ。」 「…うん、」 「…もう、こうやって会いに来る理由はないね?」 ギュッと胸を締めつけられた。 同時に歩くのを止めてしまったわたしは雨に濡れる。 優ちゃんはすぐに気づいて傘にいれてくれる。