「優一!」 大きな声が音楽教室に響く。 声は千広くんのものだった。 千広くんは優ちゃんに駆け寄る。 「オイ!お前救急車、」 「…え、あ、うん、」 何も考えられなかった。 ただ、言われるまま救急車を呼んで、わたしは、苦しそうにしている優ちゃんを見ていることしかできなかった。