君が恋した偽物

タイミングがいいのか悪いのか、先生が入ってきた。
机を戻し、視線をあてもなく漂わせる。


「忘れろよ、俺…」


多分俺があいつのことを忘れたら、あいつの存在は消える。
俺にしか、存在を認められてなかったから。


「っ、く…そ…」


引きずってる。
忘れたいのに離れてくれない。
ーーあいつは俺から離れたのに


「悠、くん?」


そんなとき。
ふと、可愛らしい声がとんできた。


「新井、光…」


隣の席の、君から。