その後、話は、トントンとすすんだ
もう、いまさら私が断れないくらいまで聞いてしまった
さっきの誓いを思い出した
私は、この学校で、やっていかなきゃいけないんだ
「真希ちゃん、君が編入するのはAクラスだけど、くれぐれも、Dクラスの子には近づいちゃいけないよ」
「それは、なぜ?」
「Dクラスの子は、まだ、吸血衝動の抑え方を知らない小さな子供たちや、人間を見つけ
たら、すぐに襲ってくるような
子達がいるところだよ」
その顔は、かわいそうなものを見る顔だった
「わかりました」
私は、理事長室から出た
っていっても、道がぜんぜんわからない
「どうしよ・・・・」
はぁ、と大きなため息をついた
「あなたが、宮野真希さんですか?」
さっきあった、新城先輩じゃない人の声
恐る恐る振り返ると、そこには、知らない男の人がいた
闇に、溶け込んでしまいそうな、漆黒の髪
それと同色の瞳、日に当たったことなんて一度もないかのよなうな、病的とさえ見える真
っ白なはだ
その顔は、人形と見紛うほど整っていた
「・・・・・・はい」
その姿に、無意識のうちに見とれていた
「それじゃあ、Aクラスと、真希さんの寮に案内するよ」
「はい、ありがとうございます」
その人は、ただ動くだけでも、気品を感じだ
指先ひとつ、まぶたの上下さえも、貴重なものに思えて仕方がなかった
「そうだ、まだ、僕の名前を教えてなかったね」
突然振り返って驚いた
「僕の名前は、桐ヶ谷聖(Kirigaya Hijiri)、この学校の王(キング)だよ」
「きんぐ?」
「あれ?おかしかったかな?王様って意味だったんだけど」
「あああ、おかしくないです!はい、」
「そっか、だったらよかった」



