血の刻印




「なぜここがそんなに好条件かというと、それに見合うだけの危険が付きまとうからだ」

「はい?」

「ここは危険なんだ、人間にとっては」

「人間に・・・とって・・・?」

「そう、ここの生徒は、全員、吸血鬼だ」

「・・・・・・・・・・・・」




キュウケツキ?

いわゆる、ヴァンパイアとか、ドラキュラとか言うあれですか?


そんなものが現実に「いるんだよ」




「あの、わたし声に出してました?」

「ううん、これが僕の能力」

「能力・・・ってことは、理事長も吸血鬼だったりするんですか?」

「そうだよ、信じた?」

「・・・・・・・・・」



いまいち信じられない現状がある




「これよりもなんで、こんな危険を冒してまで、私みたいな、普通の人間をこの学校に入れるんですか?」

「真希ちゃんは、世界に吸血鬼はどのくらいいると思う?」

「え?・・・・30人くらいですか?」

「違う、約20000人だ」

「そんなに・・・・」

「そんなにいるんだけど、人間は、ぜんぜん意識しないでしょ」




その言葉にこくこくとうなずく




「それはね、優秀な吸血鬼が、うまく立ち回ってくれているからだよ」

「・・・・・・」

「しかし、本能に忠実に、人を襲っちゃう子もいる、そんな子や、精神の不安定な、高校
生までの子達をいっせいにこの学校にあずかっているんだ」


「・・・・・・」


「しかし、この世界に閉じこもっているだけじゃ、共存は難しい、だから、選ばれた人間を一人見つけて入学させて、人間に対しての耐性をつけるんだ。そして、今回は君だよ」




いきなりの長い説明に、私の頭は、ついていかなくなっていた

最初の吸血鬼は存在するというだけでも、私の今まで生きてきた理を意図も簡単にひっく
り返していった




まて、わたし、まずは、吸血鬼が存在すると仮定して、考えよう、そのことはあとだ

つまり、ここは、出来の悪い吸血鬼の収容所ってこと?

それじゃぁ、あたし、血を・・・・・




「そんなことはないよ」

「え?」




また、心読まれた・・・・・




「何でですか?」

「確信はないけど、多分大丈夫だよ」

「いや、逆に不安が増したっていうか・・・・・」