美弥ちゃんの怒った声

私は、初めて、恐怖を感じた

私の後ろにいる人に




美弥ちゃんの顔に若干恐怖の表情が浮かんだから

美弥ちゃん、何がそんなに怖いの?




「お前が攻撃しなければ、この人間は離してやる」

「そんな口約束誰が信じますか!」




美弥ちゃんは、まだ怖い表情を浮かべている

私は、何がなんだかわからずに、ただ、動けずにいた




「信じないんだな」




耳元でつぶやかれた声は、なにか、さびしい響きがあった

そのこえは、私の心を痛くした




「美弥ちゃん」




自分の口から出た声は、不思議と穏やかだった




「真希?」




美弥ちゃんの表情が少しあっけに取られたように変わる




「美弥ちゃん、私は大丈夫だから、攻撃しないで」


「だめよ!」