「聖様、私は、この子を好きになりました」




いくら、女の子で、無表情でも

いままで、誰かに、こんなまっすぐ『好き』なんていってもらったことのない私は、顔を
赤くする




「わかった、君なら安心だ」




そういうと、桐ヶ谷先輩は、教室を出て行った

それを見届けると、女の子は、くるりと、こちらを振り返った

そのとき、脳内にあるイメージが浮かんだ




『あの、すきって言ってくれてありがとうござ・・・』

『は?調子に乗らないで下さる?私は、ただ、聖様に安心していただくためにやったことですわ』




こんなかんじ・・・・



恐る恐る顔を上げると、そこには、




「真希ちゃん!これからよろしくね!私は、冨永美弥(Tominaga Miya)よ」




さっき、桐ヶ谷先輩の前では、一切見せなかった笑顔を見せている

しかも満面の笑みで




「よ、よろしくお願いします」

「やだ、敬語なんて要らないわ、同級生でしょう?」




あえて、同い年といわないところが、吸血鬼の頭のいいところだろう




「うん!」




この日、初めての学校で、初めての友達が出来ました