「静かにしろ」
後ろから、重く、静かな声がした
そのとたんに、あれほどまでに騒がしかった、生徒がいっせいに黙った
桐ヶ谷先輩が私の背中を押して、教室の1番低い位置にある、教卓へ連れて行かれた
なんだか、ここからの風景は、怖い、今から、処刑でもされるんじゃないかと思ったほどに
「わ、私は、宮野真希といいます、見てのとおり、人間です、これからよろしくお願いします!」
教室が静まり返った、今になって、頬は赤さと熱を持ち始める
「いいんじゃない?私は好きよ、この子」
突然、声が上がった、静かで、つぶやいただけの声だったけど、この教室では、大きく聞こえた
その子は、腰まで届くハニーブラウンの髪を、ゆるくカールしていて、顔は、とてもかわいらしい顔をしていた
はっきりいって、この学校は、きれいな人が多い
その中でも、あの人は、浮いて見えるくらい、きれいだった
「ちょっと、美弥様?なにいって?」
「私の好きな人は、あなたが決めるのかしら?」
そういって、声をかけてきた女の子をやんわりと解き、教卓まで、進んできた