「俺、昨日この人テレビで見た!今ドラマやってんだよな。」
「冬真(とうま)、人の覗き見てる暇あったらサッサとやんぞ。」
「れーくんはさ、もっと世間を知った方がいいよ?時代遅れーくん。」
「うまいこと言ってんじゃねぇっつの。」
「初めてれーくんに褒められた!」
「褒めてねぇ!・・・すみませんした。」
「あ、いえ・・・」
ペコッと頭を下げられて、うちも思わず頭を下げた。
冬真って呼ばれてた人と、れーくんと呼ばれてた人はあの席に戻っていった。
そう、さっきうちが見てたあの二人。
入口の方から来たってことは、お手洗いでも行ってたんかな。
そして、二人はまた勉強を再開してた。
ちょっとした嵐が通り過ぎてったみたい。


