白血病に、そんな方法・・・。
あ、もしかして、あれ?
「・・・ドナー。」
「お姉ちゃん!」
何か意を決したように、輝樹が叫ぶ。
「・・・なんや?」
「僕ね、頑張る!お姉ちゃんにこの本もらったから!これ見て、頑張る!それで、元気になって、帰って来て一緒にお姉ちゃんとこれ見に行く!」
指をさしてるのは、最後のページの星空。
「待ってる。待ってるよ、輝樹。」
うちは決して涙を流さない。
輝樹も、自分の涙を袖でごしごしとふき取り、ニカッと笑ってるから。
「ありがとう!お姉ちゃん、大好き!」
無邪気に笑うその笑顔は、うちの心の中を温かくしてくれた。
「輝樹くん、お薬の時間ですよ。」


