ノートも開いて、さっそく黒板に書かれてることを書きとろうとしたとき、うしろから家を呼ぶ声が聞こえた。
「笑美、今日見えてるん?」
「え?見えてるよ。あ、そうや。コンタクトやねん。」
「どないしてん!?メガネになんかあったん?」
「朝から色々あったんやって。あとで言う。」
もしも、この授業が数学やなくて国語やったら話せたんやけど。
数学だけはうちの不得意科目やねんな・・・。
わからへんなりに、なんとか授業を終え、うしろを向く。
「とりあえず、おそよう。」
「まだそんな時間やないけど、まぁえぇか。」
「で、朝から何があったん?」
「それがな・・・」
朝の出来事をサラッと話した。
この子はうちの友達の蘭(らん)。


