でも、佐藤さんは笑顔で「逆かもしれません。」と言った。
「何なん?輝樹には、会われへんの?」
「・・・会えますよ?でも、余計辛いかもしれません。」
佐藤さんの言葉の意味が、全く分からへんかった。
でも、ママは違うみたいやった。
「笑美、渡しに行かない?早く行った方がいいと思うの。」
「なんで?輝樹、辛くなるかもって。」
「それは、写真集?」
佐藤さんがうちの手元を指さしながら尋ねてきた。
「そうです。うちが好きな写真家さんの。輝樹にプレゼントしようと思ってたんですけど・・・。」
「そういうことなら、ぜひ行ってあげてください。」
佐藤さんは「私、これからやらないといけないことがあって、失礼しますね?」と先に行ってしまった。
「さぁ、行ってみましょ。」


