佐藤さんの表情をうかがうと、何か深刻そうな顔やった。
「どないしたんですか?」
「・・・それが、輝樹くん、移動になったんです。」
「移動?」
「輝樹くんのところに、何か用事がありましたか?」
うちの頭の中で、移動という言葉がウロウロとうろついてた。
でも、佐藤さんはなぜかその話を逸らそうとした。
「移動ってなんですか?」
「・・・そうですね。」
そうですね、って返事になってへんよ?
と、思ってると「話せないんでしたかね?」と隣からママが口を挟んだ。
「そうですね。でも・・・悩ましいです。輝樹くんの一番の友達ですから・・・。」
「どういうこと?佐藤さん、輝樹に何かあったん?!」
もしかして、昨日の今日で輝樹に何か重大なことが起きたんやないかと悟った。


