次の日、輝樹はなかなか来てくれへんかったけど、ママはホンマに早くに来てくれた。
例のものを持って。
「これでよかった?」
「そうや!これ!」
ママが持って来てくれたのは、あの写真集。
やっぱり何回見ても見飽きへん、メッチャきれいな表紙。
「開けたら?」
「いや、開けへん。」
「え?」
そりゃそうやわな。
ママの反応がうちの思ってた通りの反応やったから、思わず笑いそうになってもうた。
「笑美?」
「これ、輝樹にあげようと思うねん。うちはもうすぐ退院するやろ?でも、そしたら輝樹はまた一人になってまう。」
「そうね・・・。」


