この写真集を、うちが見るんやなくて、輝樹にプレゼントする。
この病院からなかなか出られへん輝樹に、あのきれいな風景を見せてあげたい。
ずっとここにはおられへん、うちからのささやかなプレゼント。
時々ここに来て、その写真についてとか話せたら楽しいやろうな。
そのとき、うちも見せてもらおう。
「ほな、帰るな。」
「うん。ママ、明日早めに持って来てな!」
「はいはい。わかってます。できるだけ早く持ってくるから。」
「ありがとう!」
パパとママが出て行っても、うちの顔のニヤケは止まらへんかった。
明日、輝樹はどんな顔で喜んでくれるやろうか。
そんなことを考えながら、そっと眠りについた。


