「・・・初めまして。また今度、お話しできますか?」
「もちろん。って言っても、来れる時間が割と遅いねんけどね?」
「わかりました!」とニコッと笑って、病室を出ようとする輝樹。
その輝樹の背中に、うちは声をかけた。
「また明日な!輝樹、待っときや。」
「あ、うん!じゃぁね、お姉ちゃん!」
振り向いて、手を少しフリフリする輝樹の顔が、ホンマに可愛かったのを覚えてる―――。
輝樹が出て行って、うちはパパとママにあるお願いをした。
「ママ、パパ。買って来てほしいものがあんねんけど・・・」
「ん?何や?」
「小野寺海人さんの、写真集が欲しいねん!」
「写真集?」
パパもママもきっと知らへん人。
でも、この人は、うちが大好きな写真家さんや。


