「てーるきっ」
「あ、お姉ちゃん!」
「しーっ。」
今この時間は、あんまり出歩きしたらあかん。
ルールは割と堅実に守ってきた人生やったけど、今回だけは見逃してほしいな。
「輝樹、うちな、多分もう少ししたら退院やろ?きっと、輝樹よりもずっと早く。」
「・・・うん。」
一気に輝樹の顔が暗くなってもうた。
でも、これは仕方ないことくらいわかってた。
「あ、でもな!うち、プレゼントするから。輝樹が寂しくならへんように!」
「プレゼント?」
これはこの前考え付いたこと。
いっそ、週に何回かここに通うっていうことも考えたんやけど、家が割と遠かったりすんねん。
せやから、たまには来るとして、あるプレゼントをしようと考えた。
ただ・・・それはうちが欲しいものでもある。


