「あ、いたいた。輝樹君、薬の時間よ?」 「もうそんな時間?じゃぁ、またね、お姉ちゃん。」 「またな。頑張りや?」 佐藤さんに車椅子を押されて、出て行ってもうた輝樹。 さっきまでここにあったあの笑顔。 白血病。 その意味を知った輝樹は、どんな顔をするんやろうか・・・。 そのことを考えると、また一つ、涙が頬を伝った。 「笑美?」 「あ、ママ。」 夕方、ママが病室に来てくれた。 「遅くなってごめんね?一人で大丈夫だった?」 「思いっきり旅行気分や。」 「まぁ、厳禁な子。」