「僕の病気はね?」
静かな、落ち着いた声で輝樹が自分の病気について話し出した。
「ハッケツビョウ、っていうんだって。」
そのやけに落ち着いた口調が、うちの中で余計に恐怖をあおった。
「は、白血病て・・・」
「毎日お薬をここから入れるの。そしたら、治るんだって。」
こんな小さな体に、今まで一体どのくらいの量の薬が入っていったんやろうか。
輝樹はそれでも、明るく笑おうとする。
「時々、どうしようもなくママとパパに会いたくなる。でも、治ったら会えると思うんだ!」
「・・・そうやな。」
「絶対、迎えに来てくれるって!」
輝樹はこうやって毎日を過ごしてる。
うちには、考えられへん。


