「あったわ・・・」



ママが呟いてそれを拾う。




うちにそっと渡して「見てごらん?」と言う。



言われたとおり、それを開けて中から手紙みたいなものと写真を出した。




「・・・これ」



その写真は、うちの学校の校庭にある桜の木の写真。



ピンクの桜の木のバックには、青い空と白い雲がある。




下から見上げる形で取られてるその写真は、メッチャきれいやった。



「きれいでしょ?」



「うん。でも、なんでこの木?」




「・・・パパが大好きな場所、かな。」



大好きな場所、ていうても、春以外は桜も何も咲いてへんのに?




「パパは、多分今でも時々行ってるんじゃないかしら。」