「ん?良いのが撮れたかな?」
「はい!」
「よし。じゃぁ、今度は麗かな。」
「れーくんもやっぱり写真撮るんうまいんですか?」
「どうだろう。写真を撮るのがうまいっていうのは、どの基準なのか僕らにはわからないからね。僕らは、どうすればきれいに撮れるか、それを考えてるだけだから。」
「でも、きれいってことは、うまいってことやないんですか?」
「人によって感じ方は違うからね。」
パパさんの言うてることの意味を理解するのに、ほんのちょっとだけ時間がかかったけど、うちもなんとなく理解した。
うちがきれいやと思ってる写真も、どこかの誰かさんはまた違う感想を言うかもしれへんってこと、やと。
「麗!一枚だけ撮って。」
「・・・また一枚。」
少し離れてても聞こえるくらいの声で言われた一言。


